月下美人

詩や小説を書いています。

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第8話 「悲傷」 #6

シオンの手術を終えミライが手術室から出てくる。

ミライ 「ふぅ~…手はつくしたわ。あとは意識が戻ることを祈るだけね」

オリーブ 「ミライさんっ!ありがとう!」

オリーブはミライに抱きつく。

ミライ 「いいのよ、これが私の仕事なんだから。それより、みんなボロボロじゃない…いったい何があったの?」

2班の3人はミライから目を逸らしうつむく。

ジュリア 「あれっ…そう言えばショウは?」

ミライ 「えっ?ショウ?ショウも一緒だったの?」

2班の3人は黙ったままうつむいている。そこへ3人の魔道士が入ってくる。

男 「ミライ・グロスマンだな」

ミライ 「…えっ…は、はい」

女 「ウィッチーズのアジト周辺の警戒をしていた部隊から、ショウ・グロスマンが殉職したとの報告が入ったわ。あなたの弟よね」

ミライ 「…えっ…うそ…そんな…どうして?」

ミライは体を震わせ床に座り込む。オリーブがミライの傍に行き肩を抱き寄せる。

オリーブ 「ミライさん…」

ジュリア 「どうゆうことだよ。ミツキ!エリーゼ!マリー!一体何があったんだよ!!」

ミツキ 「…アジトに潜入する時に、2部隊に分かれて潜入したんだ。先行部隊が3班だった。3班が入ってから30分経って俺たちがアジトに入った。その時3班は皆倒れてこの状態だった。ショウは3班の様子を見て自分がここを食い止めるから4人を連れて脱出しろと言った。必ず後で追いつくからって…でも…」

男 「アジトが爆発した…」

ジュリア 「えっ?爆発?」

女 「そう…。その3人が出てきてしばらくしたら突然爆発が起きたそうよ。アジトだった洞窟は崩れ落ちて中の様子を見に行くことも出来なかったって聞いてるわ」

ミライ 「…そんな…」

ミライは体を震わせ涙を流す。オリーブもミライを抱きしめながら泣いている。

ジュリア 「なんで…何でだよ!!ショウ!なんでショウが!!」

魔道士の男がミライの傍に歩み寄り、肩に手を添える。

男 「…ミライ、そんなに悲しむな。君の弟さん、ショウ・グロスマンは死んで英雄になったんだ。彼は皆を救うため望んで死んでいったんだよ。君がそんなに悲しんでいると弟さんも浮かばれない、笑って見送ってやらなくては…」

ミライ 「……はい」

ミライはうつむきながら震える小さな声で答えた。

オリーブ 「……死んで英雄になった?望んで死んだ!?そんなの分かんないじゃない!!死んでしまったら何も聞けないし、分からないのよっ!!」

オリーブは涙を流しながら魔道士の男を睨みつけた。男は何も言い返すことなく言葉を失う。その言葉を聞いたミライはオリーブにしがみつくように泣き出す。オリーブもミライを力いっぱい抱きしめ、泣き続けた。医務室は静まり返り、ミライの泣き声が響いていた。

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第8話 「悲傷」 #5

ミツキ、エリーゼ、マリーは3班を抱えて何とかアジトを抜け出していた。アジトから少し離れたところで3人は乱れる呼吸を整えている。

ミツキ 「はぁ…はぁ…何とか逃げ切れたな」

エリーゼ 「…えぇ。早く協会に運ばないとね」

マリー 「…ショウも無事に逃げられるわよね」

ミツキ 「…ああ、きっと来てくれる。だから、俺たちは3班を無事に協会まで運ぶことを考えよう」

エリーゼ 「そうね。じゃあ、急ぎましょ」

マリー 「ええ」

2班がもう一度走り出そうとした時、ものすごい爆音と共にウィッチーズのアジトが爆発し、崩れ落ちた。

エリーゼ 「…えっ?…嘘…何なの?」

ミツキ 「ア…アジトが…」

マリー 「ショ…ショーーーウ!!嘘よ!こんなの…こんなことって…」

マリーはその場に崩れ落ちる。エリーゼとミツキはアジトの方を見つめながら呆然とする。

エリーゼ 「……行きましょ…3班を運ばないと…」

マリー 「そんな…ショウは?このまま放っていくの?」

エリーゼ 「…そうよ。…だって、戻っていたら3班は助からない…」

エリーゼは震える体を必死に押さえ歩き出す。そんな姿を見たミツキはエリーゼの後を黙ってついていく。マリーも涙を流しながらジュディをしっかり背負い歩き出す。
そうして何とか協会までたどり着いた2班は医務室の扉を開ける。

オリーブ 「ミツキ!フローラたち…どうしたの?」

ミツキ 「体に毒がまわっている、早く解毒薬をうたないと!」

オリーブ 「わかった!解毒薬なら置いてる場所知ってるの!4人をベッドに運んで!!」

ミツキらは3班の4人をベッドまで運ぶ。オリーブは解毒薬を棚から取り出し、4人の治療をする。

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第8話 「悲傷」 #4

レオンに抱えられていたサヤカが目を覚ます。

サヤカ 「…ん…ここは医務室?」

レオン 「ああ、そうだよ。やっと目ぇ覚ましたか」

サヤカはレオンに抱えられていることに気づきレオンを突き飛ばす。レオンはジュリアを抱えたまま床に倒れ込む。

サヤカ 「触んじゃねぇよ!」

レオン 「…ってぇな!!ここまで誰が運んでやったと思ってんだよ!」

サヤカ 「頼んでねぇよ!おまえに運ばれるくらいなら放置される方がマシだっての!!」

レオン 「…ったく、苦労して運び損だぜ…」

オリーブ 「…もう、二人ともここ医務室なんだから暴れないでよね…」

床にぶつかった衝撃でジュリアも目を覚ます。

ジュリア 「あれ…戻って来てる…シオン…シオンは!?」

ジュリアは飛び起きオリーブの足を掴む。

オリーブ 「今、手術中…」

ジュリア 「じゃあ、無事捕まえられたんだ!!やるじゃん!!」

レオン 「…無事…とは言えねぇけどな」

ジュリア 「えっ…どうゆうこと?」

オリーブ 「…シオンを止めるために、レオンが頭を撃ったの」

ジュリア 「!!」

サヤカ 「テメェはまたやったのか!!これで死んだらお前のせいだからな!!お前は魔道士にむいてねぇ!」

サヤカはレオンの胸ぐらを掴む。

レオン 「…仕方ねぇだろ…あいつを止めるにはそれしかなかったんだよ」

オリーブ 「…今はミライさんたちが何とかしてくれることを祈ろ?」

ジュリア 「…そうだな、きっと大丈夫だよな。ミライさんだもん…きっと何とかしてくれる」

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第8話 「悲傷」 #3

協会の医務室。夜勤の医療班が数人控えている。

ミライ 「何か飲み物買ってくるけど欲しい人いる?」

女 「あっ、コーヒーお願い!」

男 「俺も!」

ミライ 「オッケー!」

ミライが外へ出ようと扉に手を伸ばした時、勢いよく扉が開いた。

ミライ 「わぁっ!!」

扉の前には血だらけのシオンを背負ったオリーブが立っていた。

ミライ 「オ、オリーブ!?どうしたの?それって…シオン?」

オリーブ 「ミライさん、お願い!シオンを助けて!!」

ミライ 「シオンどこにいたの?こんな時間に何処へ行ってたの?」

オリーブ 「それは後で話す。だから早く!お願い!!」

ミライ 「…わかったわ!みんな手術の準備よ!急いで!!」

慌ただしく動き出す医療班たち。オリーブはその様子を息を切らしながら見つめている。そこへミライがタオルと水を持ってくる。

ミライ 「オリーブ、これ使って体を拭くといいわ…。それと水よ、飲んで。大変だったみたいね。私はこれから手術をするけど、オリーブはそこのソファで少し眠った方がいいわ」

オリーブ 「ううん…平気。待ってる…」

ミライ 「…そう、わかったわ。でも疲れたらこれ使って…」

ミライはそう言ってクッションをオリーブの隣に置いて手術室に入って行く。それからしばらくしてレオンがサヤカとジュリアをつれて医務室に入ってくる。

レオン 「オリーブ…どうだ、シオンは」

オリーブ 「まだわからない。今、手術中よ」

レオン 「…そうか」

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第8話 「悲傷」 #2

オリーブ 「どうしよう…シオン、お願い…もうやめて…こんなの…辛すぎる…」

シオンがオリーブの目の前まできて首を掴み絞め上げる。オリーブは苦しさに顔を歪ませる。

オリーブ 「…シ…オン…シオン…」

オリーブは意識が薄れてゆくのを感じていた。そんな時、絞められている力が緩んだのを感じ、目を開ける。するとシオンの目から涙が流れていた。

オリーブ 「…えっ?シ、シオン?シオンなの!?」

シオン 「…こ…殺してくれ…オリーブ…」

オリーブ 「シオン!!やだっ!シオンしっかりして!!どうしよう…絶対助けるから!」

シオン 「…頼む…殺してくれ…みんなを…殺したくない…」

オリーブ 「嫌よ!!絶対殺さない!」

シオン 「オリーブ…頼む…」

シオンはそう言ってオリーブの首から手を放す。

オリーブ 「そんな事出来ない!…わかった!今から誰も殺さないようにロープでぐるぐる巻きにしてあげる!」

そう言ってロープを取り出す。オリーブがシオンを縛ろうと近づいたときシオンの表情が変わる。

シオン 「…殺す」

オリーブ 「!!」

シオンはオリーブに向けて剣を振りかぶる。オリーブは身をすくめる。
(パンッ) 銃声が響き渡る。
シオンはその場に倒れ込む。シオンの頭から血が流れ出す。

レオン 「…やっぱな、頭はいじられてなかったみたいだな」

レオンはゆっくり立ち上がり、腹を押さえながらシオンとオリーブのもとへ歩み寄る。

オリーブ 「シオンッ!シオン!!」

オリーブはシオンに駆け寄る。

シオン 「…ごめん…な…オリーブ…ありがとう…」

オリーブ 「シオン!!だめっ!死んじゃダメ!!」

シオンはゆっくり瞳を閉じた。シオンを胸に抱えたオリーブの目からは涙が溢れている。その様子をレオンは静かに見つめていた。

オリーブ 「…レオン…」

レオン 「…何だよ」

オリーブ 「手伝って…」

レオン 「…はぁ?」

オリーブ 「シオンを協会まで運ぶわ!レオンはサヤカ達をお願い!」

そう言ったオリーブは応急処置をほどこし、シオンを背負い走り出す。オリーブはまだ諦めていなかった。シオンを必ず救う、それだけを思い夢中で協会を目指した。

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第8話 「悲傷」 #1

オリーブ、ジュリア、レオン、サヤカはシオンとの戦いに苦戦していた。

ジュリア 「はぁ…はぁ…やばいって、どうしたらいいんだよ…体は硬いし、疲れ知らずだしさ」

サヤカ 「やっぱ…無理なんじゃねぇ?」

レオン 「…殺すしか…ねぇのかもな…」

オリーブ 「諦めないで。シオンの表情は何一つ変わらないけど、動きが確実に遅くなってきてる。疲れは感じなくても、体は悲鳴を上げ出してるのよ」

ジュリア 「そっか、あともう少しって事か…だったら気合入れて行くよ!」

サヤカ 「よっしゃ!あたしらは体力が自慢なんだ、シオンなんかに負けてられないな」

サヤカとジュリアはシオンに向けて一斉に攻撃を仕掛ける。レオンとオリーブは二人の後ろから援護をする。そしてついにシオンが体勢を崩す。その隙にサヤカとジュリアはシオンを押さえ込み動きを封じる。

サヤカ 「…よしっ!やっと捕まえた!ったく、動くなって!あたしらに力で敵うと思ってんのか?」

ジュリア 「オリーブ縄持ってきて!」

オリーブ 「わかった!」

オリーブがカバンから縄を取り出し二人のもとへ駆けよる。その時、シオンの体から雷が放出される。

サヤカ・ジュリア 「あぁぁぁーーーー!!!!」

二人は感電し、その場に倒れる。

オリーブ 「ジュリア!サヤカ!!」

レオン 「くそっ!どーすんだよ!あんな魔法まで使われたら捕まえらんねぇぞ!」

シオンはゆっくりと起き上がりオリーブたちのもとへ向かってくる。

レオン 「オリーブさがれ!」

レオンはシオンに向けてライフルを撃ちこむ。しかし、シオンには効果がなく、いっきに間合いを詰められレオンは思いきり殴られる。レオンは吹き飛び地面にうずくまる。皆が倒れオリーブはひとりたたずんでいた。シオンはオリーブの方へ歩き出す。

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