月下美人

詩や小説を書いています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

第2話 「ゼウスを追え!」 #6

マリーの異変に気付いたミツキが声をかける。

ミツキ 「マリー?大丈夫か?」

そう言いながらマリーの腕に手を添える。エリーゼも心配そうにマリーを見つめる。

(ピルルル…)シオンの携帯が鳴る。課長からの連絡だ。

シオン 「はい。」

課長 「街の聞き込みはもういいわ。カケルが森の方へ行くのを見たって情報が入ったの。あなたたちも向かってちょうだい。」

シオン 「ああ、わかった。すぐに向かう。」

電話を切る。

シオン 「今から森に向かうぞ。森の方へ行くところが目撃されたってよ!」

ミツキ 「待ってくれ!マリーの様子がおかしい。」

シオン 「なんだ?どうした、マリー。」

マリー 「誰かが闇にのまれていくのが見える…恐いわ。」

ミツキ 「…これって…」

エリーゼ 「ええ。これから誰かの身に何かが起こるってことだわ。一体何が…」

シオン 「おい!マリー!!誰だ!誰がのまれんだよ!!」

マリーの腕を掴み体を揺する。

ミツキ 「シオン!」

ミツキはマリーの腕からシオンの手を引きはがす。

マリー 「わからない…でもきっと身近な人。」

シオン 「くそっ!おい!森に行くぞ!」

マリー 「待って…言っちゃダメ。行かない方がいい気がする…」

マリーはシオンの袖を掴む。しかし、シオンはその手を振りほどく。

シオン 「うるせぇ!森には1班も3班もいるんだぞ!そいつらに何かあるのかも知れねぇだろ。俺たちだけ安全地帯に居ろってのか!?いくぞ!」

ミツキ 「待て、シオン!この事を課長に連絡しよう。」

シオン 「んなことしてる場合か!来ねぇならそこに居ろ!俺はひとりで行く!!」

そういうとひとり走り出す。慌てて後を追いかけるミツキ。

ミツキ 「シオン!ひとりは危険だ!待ってくれ!!」

エリーゼ 「ホント、自分勝手何だから…。」

そうつぶやきシオンたちの後を追う。マリーも不安そうな表情で追いかける。

シオン 《くそっ!オリーブ無事でいてくれよ…》

スポンサーサイト
第2話 | コメント:0 | トラックバック:0 |

第2話 「ゼウスを追え!」 #5

(ピルルル…ピルルル…)と呼び出し音が聞こえたと同時に、前方のブティックからシオンとマリーが店員と共に出てくるのがミツキ達の目に入った。

マリー 「あら?エリーゼから電話だわ?何かしら…。」

シオン 「あ、俺もミツキからだ。何だよ、どっちかでいいだろ。まさかあいつら別行動してんのか?」

そう言いながら電話を取ろうとした時、呼び出しが切れる。

シオン 「あれっ…切れた。なんだ?」

すると前からミツキとエリーゼが歩いてくるのが見えた。

シオン 「あれ…おまえらここで何してんだ?」

ミツキ 「何って、1時間後にここで集合って決めただろ?だから待ってたんだよ。もしかして忘れてたのか?」

マリー 「あら、そうだったわね。ごめんなさい。つい忘れてたわ。それで、何か情報はあった?こっちはだめだったわ…。」

エリーゼ 「…ホントに?」

マリー 「えっ?」

エリーゼ 「ホントにちゃんと調べてだめだったの?」

マリー 「ええ、そうよ。ちゃんと聞いたわ。」

エリーゼ 「…今この店から出てきたわよね。何て言ってた?」

マリー 「えっ?」

エリーゼ 「聞きこみしたんでしょ?店員さん何て言ってたの?」

マリー 「それは…」

エリーゼ 「信じられない!!今は任務中よ!?何考えてるの?集合の約束も忘れて、二人でショッピング?」

マリー 「ご、ごめんなさい…。聞きこみに疲れちゃってつい。でも少しの時間よ?ちゃんと聞きこみもしたわ。」

エリーゼ 「つい!?二人に何かあったのかもって心配したんだから!だいたい仕事なのよ?少しでもショッピングはおかしいでしょ?」

ミツキ 「そうだよ。今は緊急捜査中だよ?これでカケルを逃がすようなことになれば取り返しがつかない。」

シオン 「もういいだろ…カケルを逃がすことはねぇよ。マリーの予知と俺の目があればな。だいたい、聞きこみとか無駄だろ。俺らが能力使って探せば見つかんのに、やる気おこらねーよ。」

ミツキ 「シオン!これはカケルを見つけるだけの任務じゃない。カケルの行動範囲を知ることでアジトが分かるかも知れない。それに、ゼウスが今何をしようとしているのか手掛かりが見つかるかも知れないんだ。無駄なんかじゃない!」

シオン 「ああ、そうかよ…。だがな、俺がやる必要はないだろ。他の奴がやりゃいいんだ!」

ミツキ 「何でそう自分勝手なんだ…。シオンの能力はすごい、でも魔道士には向いてないと思う。やりたくない仕事は力を抜くし、勝手な行動をする。そんなんじゃ、いいチームプレーなんか出来ない。」

シオン 「俺に説教してんのか?えらくなったものだな、ミツキ。たかが10分でグチグチうるせーんだよ。座って休むのも、ショッピングすんのも、休むことには変わりねぇ。休憩はそいつが休めなきゃ意味がねぇ。だから、疲れてたマリーに合わせた。何が悪い。」

エリーゼ 「悪いわよ!集合時間忘れて、私たちがどんな思いだったか。」

ミツキ 「…もういい。勝手に心配したのは俺たちだ。これからは集合時間を忘れないでほしい。」

シオン 「…ああ、わかった。」

マリー 「…恐いわ。」

といい震え始めるマリー。

第2話 | コメント:2 | トラックバック:0 |

第2話 「ゼウスを追え!」 #4

街の聞き込みを頼まれた2班は、エリーゼとミツキ、シオンとマリーの二手に分かれて動いていた。

ミツキ 「ふぅ…そろそろ時間だな。一度シオンたちと合流しよう。」

エリーゼ 「そうね。情報交換をしましょ。何かわかるかも知れないわ。」

その頃のシオンたちは、

シオン 「はぁーあ、聞きこみめんどくせぇ…。なんで俺らが聞きこみ?普通捜索だろ。」

マリー 「そうね。私も疲れちゃった…。あっ、あそこに可愛いブティックがあるわ!少しくらい休憩してもいいわよね。」

そう言って店に駆けていくマリー。

シオン 「…あっ、おいっ!勝手に単独行動するな!」

マリー 「だったら、シオンも一緒に来て!!」

マリーはシオンの腕を引っ張り店に入る。

そこへミツキ達が戻ってくる。辺りを見渡すミツキ。

ミツキ 「…あれ、おかしいな…シオンたちはまだかな。」

エリーゼ 「もうしばらく待ちましょ。きっと聞きこみで遅れてるのよ。」

二人は近くのベンチに腰を掛ける。
10分が経過し、だんだんと心配になってくるふたり。

ミツキ 「おかしい…やっぱり何かあったのかも。課長に連絡した方がいいかもしれない。」

エリーゼ 「…そうね。」

ミツキ 「とりあえずエリーゼはマリーに電話をかけてくれ。俺はシオンにかける。どちらにもかからなかったら課長に連絡しよう。」

エリーゼ 「ええ。」

二人は携帯を取り出し、電話をかける。

エリーゼ 「…お願い、マリー出て。マリー…」

第2話 | コメント:0 | トラックバック:0 |

第2話 「ゼウスを追え!」 #3

ジュリアナ 「…ディ?…ュディ!?ジュディ!!」

ジュディ 「!!あっ、なに!?」

ボーっとしていて何も聞いていなかったジュディは、慌てて周りを見渡す。

ジュリアナ 「ジュディ、何ボーっとしてんの?おいてくわよ!?」

扉に手をかけジュリアナが振り返っている。その隣で腰に手をかけフローラもたたずんでいる。その隣には金髪にブルーの瞳、紺色カッターに黒のベスト、黒のズボンに黒の革靴を履いた男が立っている。名はチャールズ・ホワイト。3班のメンバーである。

フローラ 「早くしなさいよ。うんこ挟んでんじゃないの?」

ジュリアナ 「…もう、きったないわね!!トイレ行ってきなさい。待っててあげるから。」

ジュディ 「もう!挟んでないからっ!!」

そう言いながら3人のいる方へかけていく。

チャールズ 「ジュディ、ちゃんと聞いてたか?俺たちは森を捜索だ。人目を逃れるには絶好の場所だからな。」

ジュディ 「そっそっかぁ…ありがとう、チャールズ。実は聞いてなかった…」

チャールズ 「やはりな…今から任務だ、気を引き締めておかないと危険だぞ。」

ジュディ 「そうだね、ごめん。」

フローラ 「それじゃぁ、3班出動よ!!」

ジュリアナ 「ちょっと!それ私のセリフだから!!リーダーは私よ!?」

フローラ 「違うわよ?私よ。えこひいきオババが勝手に決めたのよ!ホントは私がリーダーよ?」

ジュリアナ 「誰がえこひいきオババよ!!あんたまたママをババア扱いしたわね!?」

ジュディ 「フローラ…リーダーはジュリアナだよ!」

チャールズ 「…………」

フローラ 「何言ってんのよ、うんこ。」

ジュディ 「ちょっとぉ!!“うんこ”おかしいじゃん!!」

ジュリアナ 「そうよ!ジュディはうんこじゃないわよ。」

ジュディ 「ジュリアナ…♪」

とジュリアナがかばってくれたことに、笑みを浮かべるが…

ジュリアナ 「ジュディはサルよ!?」

フローラ 「ああ!なるほどね♪そうだったわ!ごめん、ジュディ!」

ジュディ 「もう!違うから!!」

チャールズ 「どーでもいいけど…さっさと行かないか?」

チャールズは3人のショートコントを一通り聞き、声をかける。

ジュリアナ 「そうね。じゃあ、行くわよ!!」

フローラ 「そうね。」

ジュリアナの号令と共に、3班全員の顔が引き締まり、ジュリアナを筆頭に走り出す。


第2話 | コメント:0 | トラックバック:0 |

第2話 「ゼウスを追え!」 #2

ジュディはカケルとの出会いを思い出していた。
カケルとの出会いは4年前、ジュディがまだ16歳で魔道士学校に入りたての頃。ジュディはクラスの中でも成績が悪く、皆に“落ちこぼれ”と言われていた。自分は“取り柄がなく役立たず”と落ち込み、独りベンチに座っている所に現れたのがカケルだった。

ジュディ 「はぁ…ジュリアナは炎の魔道士、チャールズは水の魔道士、フローラは頭が良くて毒にすごく詳しい。みんな優秀すぎるよ…。班のバランスとるためだって言っても、これじゃ私が足引っ張ってる…。魔道士…むいてないのかなぁ…。」

ジュディがひとり呟くと、背後から男の声がした。

男 「魔道士にむいているのは、能力の優秀な奴じゃない。心の問題だ。」

ジュディは声のする方に振り返る。そこには、肌はブラック、茶色の髪にブルーの瞳、黒の長ズボンに黒のV字タンクトップを着た男が立っていた。男の鋭い眼光がジュディを見つめていた。一瞬驚いたジュディだったが、自分の事を気にかけてくれていると思い恐怖は少しも感じなかった。

ジュディ 「あなたは?」

男は少し黙り込み、ジュディから目を逸らすが、すぐにジュディに視線を戻し答える。

男 「…オレは、カケル・クラークソン、ここの卒業生だ。」

ジュディ 「そうなんですかぁ!私はジュディ・ベネットです。1年です。」

カケル 「能力が伸びないのは、成長に時間のかかる奴なのか、伸ばすところを間違えているかのどちらかだ。…まぁ、努力してること前提だけどな。」

ジュディ 「伸ばすところを間違えてる…?」

カケル 「ああ。俺たち人間は潜在能力として、生まれた時から魔力の優れた奴と、そうでもない奴がいる。そうでもない奴は、はじめから優れている奴に追いつくのに時間がかかる。それに、伸びも悪い。だから、ない奴は体術を鍛えてそこを伸ばしていくべきなんだよ。」

ジュディ 「そっかぁ…でも私、ドジで体術も苦手なの…。」

カケル 「…そうか。まぁ、焦る気持ちもわかるが…まだ1年だろ!?気長に考えたらどうだ?焦ると後悔することになるかも知れないぞ。魔道士になるのが夢なんだろ?こんな早々に諦めるのか?」

そう言うと校舎へ入って行った。ジュディはその後ろ姿を見つめていた。
そして、自分にも何か磨くところがあるかも知れないと思い直した。それからは人一倍修行をし、無事魔道士となったのだ。魔道士になりすぐ“ゼウス”という魔道士ばかりで構成された犯罪組織があることを知り、その中にカケルの名を見つけたのだった。
第2話 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| ホーム |次のページ>>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。